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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻3号

2002年02月発行

特集 消化管感染症2002

各論 1.細菌性感染症

1)Helicobacter pylori感染症

著者: 鹿嶽佳紀1 平田一郎2 島本史夫2 西上隆之2 鹿嶽徹也3 勝健一1

所属機関: 1大阪医科大学第2内科 2兵庫医科大学第2病理 3鹿岳胃腸科・内科

ページ範囲:P.331 - P.336

文献概要

要旨 通常観察に用いる内視鏡画像の高解像度化に伴い,胃粘膜表面の集合細静脈透見像である微細発赤斑が認識可能となった.胃内視鏡観察によりHelicobacter pylori(以下H. pylori)感染の診断を行うために,732例に対して胃粘膜表面を詳細に観察し,萎縮境界および微細発赤斑所見の有用性について検討した.H. pylori感染の診断には血清抗H. pylori-IgG抗体を用いた.内視鏡観察により萎縮境界が判別可能な萎縮性胃炎では,H. pylori感染率は95.4%であった.大きさが均一で鮮明な微細発赤斑を胃粘膜全体に認める群のH. pylori感染率は2.1%と極めて低く正常胃粘膜と考えられた.微細発赤斑が不明瞭な群で,かつ萎縮境界不明瞭な群は,萎縮のない粘膜に起きた種々の炎症と考えられ,そのH. pylori感染率は96.2%であった.以上より,H. pylori感染は胃粘膜の詳細な観察により診断可能であり,その内視鏡所見の特徴は,微細発赤斑の大小不同や不鮮明化であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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