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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻3号

2002年02月発行

文献概要

特集 消化管感染症2002 各論 1.細菌性感染症

3)エルシニア腸炎

著者: 飯塚文瑛1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器内科

ページ範囲:P.342 - P.346

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要旨 Y. enterocolitica,Y. pseudotuberculosisは,食中毒起炎菌となる.胃腸炎からの分離頻度は低いが,集団食中毒の原因にもなる.菌の発育至適温度が低く,発育が遅いため,菌の検出は特定して分離する必要がある.エルシニア感染症は症状が多彩で,菌の血清型や患者の年齢,患者型要因により,①胃腸炎・腸間膜リンパ節炎型,②結節性紅斑型,発疹型,③敗血症型などに臨床分類される.自然治癒傾向の軽症例が多いが,回盲部病変が主体では急性虫垂炎の他,発疹を伴う症例では,Crohn病やBeçget病等の慢性再燃性疾患との鑑別も想起される.鑑別には,菌や血清抗体の検出の他,感受性抗生薬(ホスホマイシン,ニューキノロン系,アミノグルコシド系,第3世代セフェム系薬)投与後の内視鏡的経過観察が有用となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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