文献詳細
特集 消化管感染症2002
各論 1.細菌性感染症
文献概要
要旨 消化管結核について腸結核を中心に述べた.結核の病原性はKatGとrpoVが大きく関与している.腸結核はX線検査が有効である.X線所見として帯状潰瘍または輪状潰瘍,潰瘍瘢痕を伴う萎縮帯,変形(憩室様変形,狭小化),配列が不規則な小さな炎症性ポリープなどを指摘することにより腸結核の診断ができる.内視鏡所見ではびらん,輪状潰瘍,潰瘍緩痕萎縮帯がみられる.結核菌の証明は潰瘍部の生検を組織培養する.治療は三者併用療法を行う.腸結核に合併した大腸癌をみると,占居部位では右側結腸に,肉眼型ではびまん浸潤型が多い.癌部のX線所見では腸壁の狭小化とバリウムの付着が不良であった.
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