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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻3号

2002年02月発行

特集 消化管感染症2002

各論 2.真菌性感染症

2)放線菌感染症(Abdominopelvic actinomycosis)

著者: 太田智之1 村上雅則1 折居裕1 斉藤裕輔2 高後裕2

所属機関: 1旭川厚生病院消化器科 2旭川医科大学第3内科

ページ範囲:P.389 - P.394

文献概要

要旨 腹部放線菌症は口腔内常在菌であるActinomyces Israeliiが消化管粘膜から侵入し感染が成立する.特に最近では不妊器具(IUD)や魚骨が腸管穿通し本症を来す報告がある.臨床症状は一般的に腹痛,発熱など非特異的であるが腫瘤触知,瘻孔形成がみられることもある.画像診断では腸管壁外を主体に炎症性腫瘤を形成し,なおかつ炎症が腸管壁内にまで及ぶ所見を捉えることが重要であり,注腸X線検査,内視鏡,CTが有用である.鑑別疾患としては憩室炎,腸間膜脂肪織炎,びまん性浸潤性大腸癌,悪性リンパ腫,転移性大腸癌が挙げられる.確定診断は腫瘤内膿汁や組織から放線菌塊(Drüse)を証明することでなされるが困難なことも多い.治療は外科的切除に加えたペニシリンなどの抗生剤投与を行うことにより予後は良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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