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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻3号

2002年02月発行

文献概要

特集 消化管感染症2002 各論 4.寄生虫性感染症

4)消化管アニサキス症

著者: 松本主之1 藤澤聖2 迫口直子2 檜沢一興2 酒井輝男3 木村豊3 飯田三雄2

所属機関: 1九州大学附属病院光学医療診療部 2九州大学大学院病態機能内科学 3木村外科病院

ページ範囲:P.429 - P.436

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要旨 アニサキス症はAnisakis亜科に属する線虫の幼虫による感染症である.幼虫は消化管壁に刺入して好酸球性蜂窩織炎ないし肉芽腫性腫瘤を形成するが,全身性アナフィラキシーを誘発することもある.食道から直腸にいたる全消化管に病変を来すが,胃の罹患が圧倒的に多い.胃アニサキス症は上部消化管内視鏡検査により虫体を確認し摘出で治療する.一方,腸アニサキス症は閉塞症状を呈し,腹部超音波検査での腸管壁肥厚と口側の拡張,および腹水の存在が診断に有用である.X線所見として限局性で潰瘍形成を伴わない栂指圧痕像ないし鋸歯像と腸管の伸展不良が特徴的で,浮腫が高度な部位に虫体が描出される.以上の特徴から本症の診断は容易である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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