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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻3号

2002年02月発行

文献概要

特集 消化管感染症2002 各論 4.寄生虫性感染症

6)その他の線虫性消化管感染症(回虫・鉤虫など)

著者: 川口実12 小熊一豪2 森安史典2 加藤智弘3 鴨井隆一3 飯田三雄34

所属機関: 1国際医療福祉大学・山王分院 2東京医科大学第4内科 3川崎医科大学消化器内科Ⅱ 4九州大学大学院病態機能内科学

ページ範囲:P.443 - P.448

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要旨 われわれの経験した症例を主として回虫症と鉤虫症について述べた.わが国における消化管寄生虫は自然食ブームや海外旅行の増加などにより最近再び増加している.回虫はミミズ様の形態を呈し,長さ150~350mm,太さ2~6mmである.回虫症では腹痛,嘔気,嘔吐などの症状を呈するが特異的症状はなく,時に無症状のこともある.血液検査では好酸球増多,貧血を示すことはまれである,回虫症の診断は胃腸透視でその虫体を発見することが重要である.鉤虫は5~13mmの長さである.鉤虫は小腸粘膜に吸着し吸血するため,鉤虫症の主症状は貧血である.血液検査では鉄欠乏性貧血と好酸球増多を示す.原因不明の鉄欠乏性貧血や消化器症状を見たら,消化管寄生虫を考える必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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