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特集 消化管感染症2002
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文献概要
要旨 輸入消化管感染症は旅行者下痢症とチフス性疾患(腸チフス,パラチフス)に分けられる.前者は,発展途上国に到着後2~3日から帰国後およそ1~2週間以内に発症し,下痢のほか,悪心,嘔吐,腹痛,発熱,テネスムス,粘液または血便のうち少なくとも1つ以上を伴うものと考えてよい.細菌性のものが多く,世界的にみて最も頻度が高いのは毒素原性大腸菌であり,赤痢菌,コレラ菌などが含まれる.原虫ではランブル鞭毛虫が多い.我が国ではいずれもアジアでの感染が多い.旅行者下痢症の治療は対症療法と抗菌薬の初期治療である.チフス性疾患では菌確認後治療開始する.
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