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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻4号

2002年03月発行

文献概要

今月の主題 Helicobacter pylori除菌に伴う問題点 主題

Helicobacter pylori除菌非奏効病変の特徴―胃過形成性ポリープ

著者: 熊倉泰久1 木平健2 川上訓1 川田浩1 佐藤貴一1 菅野健太郎1

所属機関: 1自治医科大学消化器内科 2国際医療福祉大学

ページ範囲:P.537 - P.544

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要旨 過形成性ポリープは良性病変であり,高率にその背景胃粘膜にHelicobacter pylori(以下,H. pylori)陽性の萎縮性胃炎が認められる.H. pylori除菌治療により多くの症例において,過形成性ポリープの治療が可能であり,非侵襲的で優れた治療法として確立することが期待できる.しかしながらH. pylori除菌治療により全例でポリープの消失が認められるわけではなく,除菌後1年以上の経過観察にても胃過形成性ポリープに著変がなく,除菌治療が奏効しない症例が存在することも事実である.これらの除菌非著効例では,ポリープの大きさ・形態・存在部位・背景胃粘膜萎縮などは症例によりさまざまであり,共通した特徴的な所見はない.しかし,H. pylori除菌非著効例の中には,背景胃粘膜の萎縮が広範囲でありH. pylori陽性ながらもすでに除菌前の血清H. pylori IgG抗体価が低値である症例が比較的多く,また除菌後の血清ペプシノーゲンⅠ/Ⅱ比の改善の乏しい症例,除菌後も血清ガストリン値が高値を持続する症例が存在し,過形成性ポリープに対するH. pylori除菌治療の適応に関連して,今後検討を要する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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