文献詳細
文献概要
--------------------
書評「―臨床のための―QOL評価ハンドブック」 フリーアクセス
著者: 高久史麿1
所属機関: 1自治医科大学
ページ範囲:P.552 - P.552
文献購入ページに移動本書はそのQOL評価のためのハンドブックとして刊行されたものであり,上記の4人の編者と20人の執筆者(編者も含む)によってQOLの評価に関する説明が詳細になされている.本書の内容は3部に分かれており,第1部の総論編では,「いまなぜQOLか―患者立脚方アウトカムとしての位置づけ」とQOL測定理論について,第2部の包括的尺度の所ではSF-36を中心とする健康プロファイル型尺度とEQ-5Dを中心とする選択に基づく尺度のことが説明されている.また第3部の疾患特異的尺度では,がん,呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患,気管支喘息など),糖尿病,慢性腎疾患,泌尿器疾患(排尿障害,男性性機能障害),消化器疾患(胃食道逆流症,アカラシア,炎症性腸疾患,慢性肝炎,慢性膵炎など),精神科領域(うつ,睡眠障害),神経内科疾患(てんかん,アルツハイマー,パーキンソン病,片頭痛),リウマチ疾患,骨粗鬆症が取り上げられ,これらの疾患におけるQOL評価法が紹介されている.疾患特異的尺度というと,多くの人はまずがん患者のQOLを思い浮かべるが,実際には上記のように数多くの疾患でQOLの評価が行われていることに驚かれる方が多いと思う.
掲載誌情報