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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻4号

2002年03月発行

文献概要

今月の主題 Helicobacter pylori除菌に伴う問題点 主題症例

Helicobacter pylori除菌治療により完全寛解した後,局所再発したMALTリンパ腫の1例

著者: 宮林秀晴12 赤松泰次2 望月太郎3 藤森一也4 滋野俊4 清澤研道3 勝山努5

所属機関: 1伊那市営伊那中央総合病院内科 2信州大学医学部附属病院光学医療診療部 3信州大学医学部附属病院第2内科 4国立長野病院消化器科 5信州大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.589 - P.593

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要旨 患者は55歳の男性.吐血を主訴に来院.緊急内視鏡検査にて止血術を受けた後,再検時の生検組織所見でMALTリンパ腫が疑われた.内視鏡所見では胃体下部後壁に周辺隆起を伴う潰瘍を認め,生検組織所見でびまん性に浸潤するcentrocyte-like cellとlymphoepithelial lesionがみられた.細菌培養と組織所見でHelicobacter pylori(Hp)を認め,Hp陽性の胃MALTリンパ腫と診断した.3剤併用療法による除菌療法を行ったところ,Hpは陰性化し,治療後6か月目の内視鏡および生検組織所見で完全寛解(CR)と考えられた.CR確認後1年10か月目に腹痛を訴えて来院し,内視鏡所見で周辺に隆起を伴う潰瘍が認められ,生検組織所見からMALTリンパ腫の局所再発と考えられた.Hpは陰性であった.CHOP療法3クールおよび30Gyの放射線療法を行い,その後1年8か月再発を認めていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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