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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻5号

2002年04月発行

文献概要

今月の主題 cap polyposisと粘膜脱症候群 主題

cap polyposisと粘膜脱症候群はどう違うのか―病理の立場から

著者: 岩下明徳1 原岡誠司1 八尾隆史2

所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理部 2九州大学大学院形態機能病理分野

ページ範囲:P.651 - P.660

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要旨 cap polyposis(CP)と粘膜脱症候群(MPS)の概念,形態学的特徴および病因について文献的に概説した.その後両者の異同を知る目的で,CP 3例,MPS 21例を用いて,病理組織学的立場から両者を比較検討した.MPSの線維筋症と毛細血管の増生,拡張は中等度以上のものが多いのに対し,CPのそれらは軽度のものが多かった.そして,MPSの線維筋症は通常平滑筋細胞と線維成分から構成され,しばしば粘膜中層から表層まで進展していた.これに対しCPのそれは細い平滑筋線維束から成り,粘膜深層に存在し,粘膜中層以上に進展してくることはほとんどなかった.一方,肉芽組織形成と炎症細胞浸潤はMPSよりCPで強い傾向があった.以上の結果から,両疾患はお互い独立した疾患単位として区別するのが妥当と結論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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