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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻5号

2002年04月発行

今月の主題 cap polyposisと粘膜脱症候群

主題

cap polyposisと粘膜脱症候群はどう違うのか―臨床所見・治療経過を中心に

著者: 北野厚生1 押谷伸英1 中村志郎2 渡辺芳久2 仲川浩一郎2 金鎬俊1 松本誉之2 宮城邦栄1

所属機関: 1東住吉森本病院消化器病センター 2大阪市立大学消化器器官制御内科

ページ範囲:P.707 - P.714

文献概要

要旨 CPは粘液下痢便,腹痛などを主訴とし,著明なTP,ならびにAlbの低下を来す.病変はS状結腸を主体として口側部位にまで拡がる.白色やびらんを伴ったcapで被われた平坦状や広基性ポリープとして把えられ,粘膜ひだの頂部に輪状にみられ,散在性に存在する.capは炎症性肉芽組織より成り,その他の粘膜表層の萎縮,線管の過伸展,粘膜固有層における軽度の細胞浸潤,血管増生,筋線維症などの病理所見はMPSに類似する.MPSは下血を主症状とし,若年者のstrainerで粘膜脱を伴うことが多い.主として直腸前壁の隆起型,あるいは潰瘍型の病変としてとらえられる.両疾患は病理組織所見において類似するが,臨床像や治療経過を加味すれば異なるentityにあるものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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