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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻5号

2002年04月発行

文献概要

今月の主題 cap polyposisと粘膜脱症候群 主題症例

ステロイド内服とエカベトナトリウム注腸が奏功したcap polyposisの1例

著者: 荻野英朗1 松田耕一郎1 岩田充弘1 米島博嗣1 里村吉威1 鵜浦雅志1 内山明央2 三輪淳夫2 渡辺英伸3

所属機関: 1富山県立中央病院内科 2富山県立中央病院臨床病理科 3新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.735 - P.740

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要旨 症例は41歳,女性.2年前より血性下痢を認めSalazopyrin等の治療を受けるも改善なし.2000年1月より下腹部痛と粘血便を認め4月当科入院.血液検査で総蛋白3.7g/dlと著明な低蛋白血症を認めた.注腸および内視鏡検査で直腸から横行結腸に径5~20mmで表面にびらん・発赤を伴うⅠs~Ⅰsp型ポリープの多発を認め,病理学的には上皮の過形成と管状腺管の拡張をみてcap polyposisと診断した.ステロイドの内服とエカベトナトリウム注腸により症状の消失と血清蛋白の増加に加え内視鏡的にもポリープの縮小・消失を得た.cap polyposisの治療法は確立されておらず今後の症例の集積が望まれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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