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今月の主題 十二指腸の非腫瘍性びまん性病変 序説
十二指腸の非腫瘍性びまん性病変
著者: 飯田三雄1
所属機関: 1九州大学大学院病態機能内科学
ページ範囲:P.759 - P.761
文献購入ページに移動 十二指腸は,全長25~30cmの短い管腔臓器であるが,形態学的には空腸,回腸と共通の構造を持つため,小腸の一部分として取り扱われることが多い.また,十二指腸に生じる代表的な病変は消化性潰瘍であるが,球部に好発し胃潰瘍とともに論じられることが多い.さらに十二指腸の代表的腫瘍性病変として乳頭部腫瘍が挙げられるが,しばしば胆膵腫瘍とともに論じられる.そのため,本誌の主題として十二指腸病変のみが取り上げられたことは少ない.しかし近年,パンエンドスコープの普及により,上部消化管内視鏡検査の一環として,十二指腸第2部までは容易に観察できるようになり,それに伴って種々の十二指腸病変が発見されるようになってきた.このような背景から,本誌36巻12号で「十二指腸の小病変」という特集が組まれ,主として小さな腫瘍性ないし腫瘍様病変の診断と治療が取り上げられた.本号はその続編とも言うべき特集で,非腫瘍性びまん性病変に焦点があてられる.
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