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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻6号

2002年05月発行

今月の主題 十二指腸の非腫瘍性びまん性病変

主題

十二指腸の非腫瘍性びまん性病変,特に十二指腸炎の病理

著者: 岩下明徳1 蒲池紫乃12 高木靖寛1 原岡誠司1 八尾恒良2

所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理部 2福岡大学筑紫病院消化器科

ページ範囲:P.762 - P.771

文献概要

要旨 十二指腸炎の概念と分類,その主体をなす非特異性十二指腸炎(NSD)の病因と形態像,および生検で確診可能な代表的特異性十二指腸炎(SD)の病理像について,文献的考察を加えながら概説した.同時にSDの代表格であるCrohn病(CD)十二指腸病変の病変別肉芽腫陽性率について,自験249例を用いて検討した.そして,NSDの生検診断に重要な組織像は,粘膜のびらん,好中球浸潤,リンパ球・形質細胞増加,胃上皮化生,および絨毛の扁平・短縮化であると総括した.さらにCD患者の十二指腸生検での肉芽腫検出率は9.2%と低いことと,内視鏡的にほぼ正常部(2.0%)に比べ病変部(5.9%),特に潰瘍(14.3%)(瘢痕:16.7%)~びらん(7.6%)部からの陽性率が高いことを指摘し,確診に不可欠な肉芽腫の検出率を高めるためには,病変部からの生検と連続切片の検索が必要であると結論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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