icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻6号

2002年05月発行

文献概要

今月の主題 十二指腸の非腫瘍性びまん性病変 主題

Schönlein-Henoch紫斑病における十二指腸病変の特徴

著者: 江崎幹宏1 松本主之2 中村昌太郎1 平川克哉3 川崎真澄1 蔵原晃一1 青見仁1 山縣元1 岩井啓一郎4 八尾隆史4 飯田三雄1

所属機関: 1九州大学大学院病態機能内科学 2九州大学医学部光学医療診療部 3川崎医科大学消化器内科Ⅱ 4九州大学大学院形態機能病理学

ページ範囲:P.791 - P.800

文献購入ページに移動
要旨 Schönlein-Henoch紫斑病(SHP)8例の臨床像と上部消化管病変を検討した.8例中2例で腹部症状が紫斑出現に先行していた.1例では小腸のみ罹患していたが,他の7例では十二指腸病変を認め,十二指腸と小腸の罹患率はほぼ同様であった.十二指腸病変は第2部に及び,粘膜発赤,浮腫,易出血性の程度は一定していなかったが,7例中6例では多発性の不整形潰瘍を認めた.さらに,4例では潰瘍底に暗赤色調の盛り上がりを認め,これら4例の生検組織中に血管炎が証明された.SHPでは,紫斑に先行して腹部症状が出現することもあるので,十二指腸病変の特徴を熟知しておく必要があると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?