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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻6号

2002年05月発行

文献概要

今月の主題 十二指腸の非腫瘍性びまん性病変 主題

膠原病に合併する十二指腸びまん性病変―血管炎症候群を中心に

著者: 原右1 野口光徳1 山口正明2 今谷晃3 大原秀一3 下瀬川徹3

所属機関: 1仙台社会保険病院消化器内科 2仙台社会保険病院病理部 3東北大学大学院消化器病態学

ページ範囲:P.801 - P.808

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要旨 膠原病に合併する十二指腸びまん性病変症例(結節性多発動脈炎など血管炎症候群)についての内視鏡所見の検討を行った.十二指腸での病変は血管炎に伴う循環障害が十二指腸に起こって発症すると考えられ,内視鏡上,十二指腸球部より下行脚にかけての広範な粘膜びらん,難治性の浅い潰瘍の形成と動脈性出血を呈した.生検上非特異的な炎症所見を認めるのみで特徴的な所見に乏しく,診断は難しい.治療に対する反応に乏しく潰瘍,出血を繰り返す症例では腎不全,急性膵炎,脳血管障害などを合併して重篤となることが多く予後不良である.病初期での診断と全身疾患としての早期治療開始が予後改善のためには重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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