icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻6号

2002年05月発行

今月の主題 十二指腸の非腫瘍性びまん性病変

主題

アミロイドーシスの十二指腸病変

著者: 多田修治1 飯田三雄2 松本主之2 上野直嗣1 大湾朝尚1 上原正義1 浦田淳資1 藤本貴久1 須古博信1

所属機関: 1済生会熊本病院消化器病センター 2九州大学医学部病態機能内科学

ページ範囲:P.809 - P.817

文献概要

要旨 消化管はアミロイド沈着の好発臓器であり,なかでも十二指腸・小腸は最も沈着の高度な部位である.また,アミロイドーシスの沈着様式はアミロイド蛋白別に特異性がみられ,蛋白ごとに形態学的変化と臨床徴候の差異が認められる.すなわちAAでは粘膜固有層と粘膜下層血管壁が沈着の主体となり,十二指腸に微細顆粒状の粗糙な粘膜が観察される.ALでは粘膜筋板と粘膜下層,固有筋層への塊状沈着がみられ,粘膜下腫瘤様隆起の多発とKerckringひだの肥厚が認められる.Aβ2Mでは固有筋層への多量沈着が,ATTRでは自律神経節への沈着が強く,両者とも粘膜の形態学的変化は乏しい.これらの所見と鑑別を要する疾患には,糞線虫症,イソスポーラ症,immunoproliferative small intestinal disease,リンパ管拡張症などが挙げられるが,各疾患の十二指腸の組織像には差異が認められる.アミロイド蛋白別の十二指腸における形態学的特徴を知るとともに,鑑別すべき疾患との組織像の違いを考慮することが,診断を行う上で重要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら