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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻6号

2002年05月発行

文献概要

今月の主題 十二指腸の非腫瘍性びまん性病変 主題

十二指腸の非腫瘍性びまん性病変の形態からみた鑑別診断

著者: 浜田勉1 近藤健司1 安部剛1 下屋正則1 奥田圭二2 田中靖2 斉藤聡3 八巻悟郎4 東馨4

所属機関: 1社会保険中央総合病院消化器科 2社会保険中央総合病院放射線科 3東邦大学大橋病院第3内科 4(財)東京顕微鏡院内科

ページ範囲:P.829 - P.839

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要旨 十二指腸のびまん性病変の診断には,球部にとどまらず,下行部からVater乳頭部,さらには水平部の一部まで常に観察することを心がける必要がある.今回,非腫瘍性びまん性変化を来す疾患を粘膜異常を示すもの,狭小化を示すもの,拡張を示すものに分けて鑑別点について整理した.いずれの疾患も比較的まれである.十二指腸炎は胃の急性病変に随伴して臨床で遭遇することが多いが,十二指腸に限局する原因不明の非特異性の場合もある.また頻度の低い疾患としてはCrohn病,潰瘍性大腸炎などの炎症性疾患と併存するものや,アミロイドーシス,Schönlein-Henoch紫斑病,膠原病などの全身性疾患に伴うものがあり,鑑別には他臓器の変化や臨床症状を考慮すべきである.Kerckringひだの肥厚や消失,粘膜面の顆粒状変化やびらんなどは内視鏡で観察し,進行すれば狭窄や拡張の範囲をX線で描出し,生検を加えて十二指腸のびまん性病変を的確に診断していく.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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