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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻6号

2002年05月発行

文献概要

今月の主題 十二指腸の非腫瘍性びまん性病変 主題症例

CA19-9高値を示したランブル鞭毛虫症の1例

著者: 浅野光一1 望月裕一1 野原栄1 廣田千治1 橋本洋2 佐渡島省三1 江崎幹宏3 松本主之4 飯田三雄3

所属機関: 1新日鐵八幡記念病院内科 2産業医科大学第1病理 3九州大学医学研究院病態機能内科学 4九州大学医学部附属病院光学医療診療部

ページ範囲:P.849 - P.854

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要旨 患者は49歳,男性.下痢と体重減少を主訴に入院し,糖尿病,肝硬変と診断された.入院時よりCA19-9の高値(301.9U/ml)を認めた.下痢が持続したため,消化管X線・内視鏡検査を施行したところ,十二指腸から上部空腸にかけて粗糙粘膜を認め,十二指腸にはアフタ様病変が散在性に観察された.十二指腸生検組織および胆汁中にランブル鞭毛虫を認めたことから,ランブル鞭毛虫症と診断した.metronidazoleによる駆虫で粘膜所見に改善傾向を認め,CA19-9も120.3U/mlまで低下した.自験例では軽微な十二指腸病変にとどまっていたことから,ランブル鞭毛虫症の内視鏡診断には注意が必要と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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