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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻6号

2002年05月発行

今月の主題 十二指腸の非腫瘍性びまん性病変

主題症例

消化管に限局した原発性AL型アミロイドーシスの1例―長期経過を含めて

著者: 平橋美奈子1 松本主之2 城由起彦2 江崎幹宏1 中村昌太郎1 檜沢一興1 八尾隆史3 飯田三雄1

所属機関: 1九州大学大学院医学研究院病態機能内科学 2九州大学医学部附属病院光学医療診療部 3九州大学大学院医学研究院形態機能病理学

ページ範囲:P.855 - P.861

文献概要

要旨 患者は初診時59歳,男性.大腸の潰瘍性病変を契機として,消化管生検でアミロイドーシスが疑われたため入院となった.十二指腸と上部小腸にKerckringひだの肥厚と粘膜下腫瘍様隆起の多発を認め,全身精査の結果,消化管に限局した原発性AL型アミロイドーシスと診断した.その後,70歳までの11年間無治療で消化管病変を含めた経過観察が可能であったが,大腸病変の再発はなく,臨床的に他臓器のアミロイドーシスを示唆する徴候は出現しなかった.X線・内視鏡検査では,十二指腸の粘膜下腫瘍様隆起にわずかに増大傾向を認めるのみであった.一般に原発性アミロイドーシスの予後は不良とされているが,消化管に限局したAL型の経過は良好である可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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