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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻7号

2002年06月発行

文献概要

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書評「馬場塾の最新胃X線検査法」

著者: 八尾恒良1

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器科

ページ範囲:P.894 - P.894

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 1年ほど前,馬場先生に3か月だけのトレーニングを受けたX線技

師さんが撮影した集検フィルムを見せて頂いて驚いた.私の病院で3年くらいトレーニングした医師が撮ったフィルムよりはるかに診断価値が高い写真だった.医師が撮影するルーチンX線検査も,何とか考え直さなければと思っていた矢先にこの本が出版された.

 一読して感じるのは,新しい検査法を指導された馬場保昌先生の妥協のない学問に裏打ちされた,X線診断学に対する強固な信念と実力,そしてその素晴しさを肌で感じて一途にX線検査に打ち込まれた多数の技師さん方の時間とエネルギーである.まさに現代社会ではほとんどみられなくなった,“塾”の産物と言えよう.その成果もすばらしい.本書に示された資料によると全国の職域検診における胃癌発見率は0.04%であるのに対し,東京都予防医学協会の新しい検査法による胃癌発見率は0.07%,しかも早期胃癌率は80%に達している.また,癌研健診センターの成績では胃癌発見率は古い方法の0.14%から新しい方法では0.3%に上昇し早期胃癌率も67%から92%と驚くべき成績の向上をみている.それにも増して新しい検査法の価値は提示されたX線写真を見れば一目瞭然である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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