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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻7号

2002年06月発行

今月の主題 炎症性腸疾患と腫瘍(1)潰瘍性大腸炎

主題

潰瘍性大腸炎関連大腸癌に対するEUSの診断的意義

著者: 清水誠治1 多田正大2 富岡秀夫1 木本邦彦1 奥山祐右3 藤本荘太郎3 川井啓市4

所属機関: 1大阪鉄道病院消化器内科 2多田消化器クリニック 3京都第一赤十字病院消化器科 4湯川胃腸病院

ページ範囲:P.945 - P.955

文献概要

要旨 潰瘍性大腸炎関連大腸癌4症例5病変を対象に本症におけるEUSの診断的意義について検討した.浸潤癌の存在診断は内視鏡検査よりもEUSのほうが優っており,1例ではEUS診断が内視鏡診断に先行した.質的診断においては浸潤癌で境界不整な低エコーから癌の診断が可能であり,病変内部にみられる斑状のさらに低エコーの領域は粘液癌に対応した.しかし,粘膜癌やdysplasiaでは炎症による隆起との鑑別はできなかった,深達度診断についても機種を適切に選択すれば良好な診断能が得られると考えられた.またEUSは狭窄や隆起性病変がみられた際に浸潤癌の存在を否定する判断材料でもあった.少数例での検討であり可能性を示唆するにとどまったが,浸潤癌の存在診断を見落とさないためにはサーベイランスにEUSを併用することが有用である可能性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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