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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻7号

2002年06月発行

文献概要

今月の主題 炎症性腸疾患と腫瘍(1)潰瘍性大腸炎 主題

colitic cancer/dysplasiaの病理組織学的特徴

著者: 味岡洋一1 渡辺英伸2 加納恒久3 西倉健1 向井玄2 馬場洋一郎2

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・病態病理学 2新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学 3新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学

ページ範囲:P.956 - P.970

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要旨 潰瘍性大腸炎(以下UC)合併sm以深浸潤癌7症例を用いて,そのsm以深浸潤部と随伴粘膜内腫瘍部の組織所見を検討した.随伴粘膜内腫瘍は腺癌と腺腫とに診断された.粘膜内癌の組織型は高分化~低分化・印環細胞癌まで多彩であった.高分化腺癌は①通常型,②表層分化型,③BC型(basal cell proliferation),④PC型(pancellular dysplasia)の4型に分類され,低異型度癌が高頻度であった.sm以深浸潤部癌は低分化腺癌・印環細胞癌・粘液癌と高分化低異型度癌の頻度が通常大腸癌に比べ高く,UCに発生した高分化腺癌は低異型度であっても粘膜下層浸潤能が高い可能性が推定された.粘膜下層以深に浸潤しやすい癌に特異的な組織所見は得られなかったが,BC型粘膜内癌は他の型とは異なる発育様式を示す浸潤癌に生長する可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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