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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻7号

2002年06月発行

今月の主題 炎症性腸疾患と腫瘍(1)潰瘍性大腸炎

主題研究

潰瘍性大腸炎合併大腸腫瘍における遺伝子変異の検討

著者: 渡邉聡明1 宮木美知子2 金沢孝満1 石原聡一郎1 多田智裕1 飯島武2 武藤徹一郎3 名川弘一1

所属機関: 1東京大学医学部腫瘍外科 2都立駒込病院遺伝性腫瘍研究プロジェクト 3癌研究会附属病院

ページ範囲:P.981 - P.990

文献概要

要旨 潰瘍性大腸炎合併大腸癌およびdysplasiaにおける遺伝子変異,さらに癌発生のハイリスク群と考えられる長期経過全大腸炎型潰瘍性大腸炎症例の大腸粘膜におけるmicrosatellite instability(MSI)について検討した.癌あるいはdysplasiaに対して手術施行した,潰瘍性大腸炎12症例,21病変について,loss of heterozygosity(LOH)を検討した結果,LOHは17番染色体短腕(71%)および8番染色体短腕(59%)に高頻度に認められた.βカテニン遺伝子異常は,評価できた14病変いずれにも認められなかった.癌合併2症例のうち,1例の癌病変にAPC遺伝子変異が認められた.大腸癌非合併の長期経過潰瘍性大腸炎14例の大腸粘膜にMSIは認められなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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