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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻7号

2002年06月発行

今月の主題 炎症性腸疾患と腫瘍(1)潰瘍性大腸炎

主題症例

sm癌と多発dysplasiaを合併した潰瘍性大腸炎の1例

著者: 城由起彦1 松本主之1 岩井啓一郎2 八尾隆史2 黒木文敏34 藤田穣3 壬生隆一5 飯田三雄6

所属機関: 1九州大学附属病院光学医療診療部 2九州大学大学院形態機能病理学 3川崎医科大学消化器内科Ⅱ 4黒木胃腸科内科クリニック 5九州大学大学院腫瘍外科学 6九州大学大学院病態機能内科学

ページ範囲:P.991 - P.998

文献概要

要旨 症例は34歳,男性.20歳発症の全大腸炎型潰瘍性大腸炎で,慢性持続型に経過していた.発症より10および12年後の大腸内視鏡検査と生検では軽度活動期潰瘍性大腸炎を認めるのみであったが,14年後の内視鏡検査でS状結腸に結節状隆起とⅠs型隆起を認め,生検でhigh-grade dysplasia(HGD)と診断された.X線・内視鏡上,介在粘膜と直腸にも範囲の不明瞭な顆粒状粘膜が散在しdysplasiaが検出された.大腸全摘術を施行したところ,結節状隆起は低分化成分を伴い粘膜下層深部に浸潤した癌,Ⅰs型隆起はHGDであった.これら2つの病変の周囲粘膜およびS状結腸と直腸にはdysplasiaが多発していた。本例における癌は比較的短期間に発育・浸潤したと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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