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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻7号

2002年06月発行

文献概要

今月の主題 炎症性腸疾患と腫瘍(1)潰瘍性大腸炎 主題症例

DALMとは離れた平坦粘膜部に浸潤癌(sm癌)が認められた1例

著者: 渡邉聡明1 畑啓介1 風間伸介1 横山正1 武藤徹一郎2 名川弘一1

所属機関: 1東京大学医学部腫瘍外科 2癌研究会附属病院

ページ範囲:P.999 - P.1004

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要旨 患者は65歳,男性.全大腸炎型の潰瘍性大腸炎と診断され,発症後6年目に当科を受診.外来通院治療を続け,翌年の発症後7年目からサーベイランス内視鏡検査を開始した.発症後8年目のサーベイランス内視鏡検査にて,S状結腸にDALMを認めたため手術を施行した.患者の希望により,結腸左半切除術を施行した.切除標本にて,DALMの部分には癌を認めなかったが,DALMとは離れた平坦粘膜部に浸潤癌(sm癌)が認められた.組織型は,高分化~中分化腺癌で,静脈侵襲,リンパ管侵襲は認められず,リンパ節転移も認められなかった.術後,5年経過した現在も,再発は認められず,また残存大腸のサーベイランス内視鏡検査でもdysplasiaは認められていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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