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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻9号

2002年08月発行

文献概要

今月の主題 胃粘膜内癌EMRの適応拡大と限界 主題

胃EMRの適応拡大:大きさからみて―分割切除の工夫と問題点:2チャンネルスコープ法

著者: 三島利之1 長南明道1 安藤正夫1 日下利広1 三宅直人1 有泉健1 望月福治1

所属機関: 1JR仙台病院消化器内視鏡センター

ページ範囲:P.1175 - P.1180

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要旨 当施設でEMRがなされた胃粘膜内癌205病巣を,大きさ20mm以下のグループA(174病巣),大きさ21mm以上のグループB(31病巣)に分けて検討した.グループBでは切除回数の増加,完全切除率の低下,出血率の増加がみられた.穿孔例はみられなかった.遺残再発はグループAの2.3%,グループBの6.5%にみられたが有意差はなく,グループBでは3分割以上となった23病変においても現在まで癌遺残を認めていない.分割切除による適応拡大にあたっては,正確な粘膜内範囲診断とマーキング,マーキングをすべて含めた切除,厳密な病理組織学的検索,完全切除と判定できない病巣に対する密な経過観察といった一連の流れが確実に行われることが重要である.出血率,遺残再発率の増加といった問題点はあるが,20mmを超える病巣においても分割切除による適応拡大はある程度許容されるものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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