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文献詳細

雑誌文献

胃と腸37巻9号

2002年08月発行

文献概要

今月の主題 胃粘膜内癌EMRの適応拡大と限界 主題

胃粘膜内癌EMRの適応拡大におけるインフォームド・コンセントのあり方

著者: 古川俊治1 大谷吉秀1 熊井浩一郎1 久保田哲郎1 吉田晶1 北島政樹1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部外科

ページ範囲:P.1211 - P.1217

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要旨 インフォームド・コンセントの根拠となる患者の治療上の自己決定権は,憲法で保障される人権の1つであると考えられるようになった.患者自身がその意思で治療方針を選択できるように,各治療法の利害得失,治療を行わない場合の予後について,科学的な根拠に基づいた正確な情報提供を行うことが求められている.「胃癌治療ガイドライン」の刊行により胃癌治療は一定基準の存在下に行われることになったが,適応拡大によって胃粘膜癌に対してEMRを行う場合には,胃粘膜癌の病名,EMRの手順,出血・穿孔などの合併症の内容とその頻度,EMR後の追加治療および定期的経過観察の必要と再発の可能性,粘膜癌の予後の諸事項に加え,“日常診療”として推奨されている開腹縮小手術,および“臨床研究”として適応のある腹腔鏡下手術の選択機会を保障するよう,EMRとこれらの方法の利点と欠点に関し,具体的に,平易に十分に説明しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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