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文献詳細

雑誌文献

胃と腸38巻1号

2003年01月発行

文献概要

今月の主題 胃癌―診断と治療の最先端 座談会

胃癌治療ガイドラインをめぐって

著者: 笹子三津留1 長南明道2 浜田勉3 小山恒男4 加藤洋5 畠清彦6 八尾恒良7 愛甲孝8

所属機関: 1国立がんセンター中央病院外科 2JR仙台病院消化器内視鏡センター 3社会保険中央総合病院内科 4佐久総合病院内科 5癌研究会癌研究所病理 6癌研究会附属病院化学療法科 7福岡大学筑紫病院消化器科 8鹿児島大学医学部第1外科

ページ範囲:P.107 - P.125

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ガイドライン作成の目的

 八尾(司会) 「胃癌治療ガイドラインをめぐって」の座談会を始めたいと思います.胃癌治療ガイドラインが出て1年半ぐらいですが,よく知らない人もいるかもしれない.しかし,現実には一般用も含めて出版されて世の中に出まわっていますから,胃癌の診断・治療にかかわる医師がガイドラインを読んでいない,知らないでは済まされない.まずガイドライン作成の目的と原点を愛甲先生,笹子先生にお話しいただいて,それから実際の臨床に対する影響,問題点,将来の話を網羅できればと思います.気楽な座談会にしたいと思いますので,よろしくお願いします.

 愛甲(司会) このガイドラインが作成された背景について,口火を切らせていただきたいと思います.それについては,既にガイドラインの前書に書いてございます.ご承知のように近年早期胃癌が急増し,一方では,晩期の胃癌症例や再発症例が少なくないのも現状です.すなわち治療対象となる患者さんが,最近,大変多様化したことが大きな特徴かと思われます.そういう中で,従来の治療法,あるいは標準的治療と言われたものでは対応しきれない症例が増加してきました.すなわち内視鏡的粘膜切除,腹腔鏡下手術,機能温存の縮小手術,あるいは進行癌に対しては,超拡大手術等が行われてまいりました.化学療法にしても,混沌とした状況でして,こうした治療法の多様化により,選択肢が増えてきたわけです.その選択肢は,現場の医師によって選択されますが,これではあまりにもよろしくない,治療担当者が参照すべきガイドラインの作成がぜひ必要であるということで,第71回の日本胃癌学会総会にあたり,今回のガイドラインが作成されたわけです.このガイドラインの作成と公開を望む声は,タイムリーなものでして,第一線の臨床家の間でも受け入れられたという事情がございます.そして,医師・患者の相互理解に役立つものと非常に大きな期待をかけられたということです.ガイドラインの具体的な目的について,作成に尽力された笹子先生からお願いします.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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