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文献詳細

雑誌文献

胃と腸38巻1号

2003年01月発行

文献概要

mini lecture

胃壁の構造と胃の病気

著者: 滝澤登一郎1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科病理診断科学

ページ範囲:P.134 - P.137

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はじめに

 病気には好発部位が存在することが多い.しかし,人間のDNAの構造が解明された今日でも,病気の好発部位について科学的に説明することは困難な場合がある.胃の病気にも好発部位が明らかで,深くて大きな慢性の消化性潰瘍は胃角の領域に好発する.また,胃粘膜の萎縮は小彎側に発生して大彎側に拡大進展するが,これらについて理由は説明されていない.胃の機能の中心は,食べ物の塩酸消毒と蛋白分解処理であるが,結果として粘膜の変化を中心に病態を考える方向が病理学の中軸となり,胃の壁の問題はほとんど論じられなくなった.しかし,粘膜偏重の視点からは,病気の好発部位の問題は解決されない.胃壁の構造,特に筋層構造を理解することで胃角や小彎側の解剖学的特殊性を認識し,病気の成り立ちについて総合的に考察することが可能になるのである.

参考文献

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8)滝澤登一郎,猪狩亨,小池盛雄.Helicobacter pylori胃炎の成立に関する問題点とThe Updated Sydney System.胃と腸 33 : 1099-1108, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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