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文献詳細

雑誌文献

胃と腸38巻10号

2003年09月発行

今月の主題 胃腺腫の診断と治療方針

座談会

胃腺腫の取り扱いの現状

著者: 長南明道1 田尻久雄2 小野裕之3 渕上忠彦4 滝澤登一郎5 岩下明徳6 川口実7

所属機関: 1JR仙台病院消化器内視鏡センター 2東京慈恵会医科大学内視鏡科 3静岡県立静岡がんセンター内視鏡部 4松山赤十字病院消化器科 5東京医科歯科大学病理 6福岡大学筑紫病院病理 7国際医療福祉大学附属熱海病院内科

ページ範囲:P.1432 - P.1450

文献概要

 川口(司会) 本日はお忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます.本日は,「胃腺腫の取り扱いの現状」の座談会を開きたいと思います.胃腺腫は,決してまれではなく,むしろ頻回に遭遇する疾患ですが,私が20何年か前国立がんセンターに行ったとき,佐野量造先生や廣田映五先生から,そのころは異型上皮巣と言いましたが,その肉眼所見は褪色調で,扁平隆起で,菊花状を呈すると教えられました.しかし現在内視鏡をしていると半球状の小さい白色調の,それこそ腸上皮化生と鑑別を要するような腺腫もあるし,3,4cmの大きさがあって,顆粒が集簇したような腺腫もあり,かなり幅が広い病変だということがわかってきました.それから組織診断にしても,いわゆる紡錘形の核が基底側に沿った典型的な腺腫から少し核が丸くなってくるようなものも腺腫と診断されることもある.そういうことで,結構幅が広い病変だろうと思うようになりました.したがって,今までのように画一的な治療法ではなく,内視鏡所見,大きさなどによってそれぞれの治療法が選択される時代ではないかと思われ,今回の企画になったわけです.今回はTable1, 2のように31施設の先生方にアンケートを行い答えていただきました.今日お集まりの先生方にはアンケート結果をお配りしてありますが,それに左右されることなく実際にどういう基準でどういう治療をしているかを述べていただきたいと思います.腺腫を隆起・平坦型のものと,潰瘍を伴う陥凹型のものと分けて,最初は隆起・平坦型の腺腫を,こういう所見があった場合に治療するということを述べていただきたいと思います.それもいろいろな条件があると思います

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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