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文献詳細

雑誌文献

胃と腸38巻11号

2003年10月発行

今月の症例

高度の貧血を契機に発見された大きさ6mmのS状結腸IIa+IIc型sm癌の1例

著者: 長浜孝1 宗祐人1 松原不二夫1 野村秀幸1 八尾隆史2

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会新小倉病院消化器科 2九州大学形態機能病理学

ページ範囲:P.1484 - P.1487

文献概要

 〔患者〕79歳,女性.2001年1月心筋梗塞,6月脳梗塞の既往があり,抗凝固剤が投与されていた.2001年12月,動悸,全身倦怠感が出現し当院受診.Hb5.7g/dlと高度の貧血を認め入院.

 〔初回大腸内視鏡所見(2001年12月13日)〕

 下行結腸に大きさ約6mm大の類円形の隆起性病変を認め,その中心部に自然出血を伴っていた(Fig.1a).インジゴカルミン色素撒布では,隆起の立ち上がりは正常粘膜で,病変中央に浅い不整形な陥凹を認め,陥凹内はわずかに盛り上がっていた(Fig.1b).病変部口側より生検し,高分化腺癌と診断された.

参考文献

1)帆足俊男,八尾恒良,渕上忠彦,他.早期大腸癌におけるX線学的および内視鏡学的深達度診断の研究.胃と腸 32 : 1651-1662, 1997
2)津田純郎,菊池陽介,佐藤茂,他.大腸腫瘍性病変の通常内視鏡診断はどこまで病理診断に迫れるか.胃と腸 34 : 1623-1633, 1999
3)工藤進英.早期大腸癌─平坦陥凹型へのアプローチ.医学書院,1993
4)工藤進英.小さな大腸癌の増加が示すもの.胃と腸 36 : 1343-1345, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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