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文献詳細

雑誌文献

胃と腸38巻11号

2003年10月発行

今月の症例

粘膜下腫瘍様形態を呈した胃癌の1例

著者: 古川浩一1 何汝朝1 渡辺和彦1 阿部行宏1 相場恒男1 五十嵐健太郎1 畑耕治郎1 月岡恵1 橋立英樹2 渋谷宏行2

所属機関: 1新潟市民病院消化器科 2新潟市民病院臨床病理部

ページ範囲:P.1488 - P.1490

文献概要

 〔患者〕 41歳,男性.生来健康.1997年4月22日,健康診断上部消化管造影検査にて異常を指摘され,精査目的に5月12日当院初診.来院時身体所見に異常はなく,臨床検査成績では血算,一般生化学検査,検尿にいずれも異常所見を認めなかった.

 〔胃X線所見〕 胃前庭部前壁に4.0×2.5cm辺縁が滑らかな丈の高い隆起を認めた(Fig.1a).中央に不整形な浅い陥凹を有し,圧迫の程度によりbridging fold様所見の出現と肛門側に一点集中の粘膜集中像の描出を認めた(Fig.1b, c).

 〔胃内視鏡所見〕 胃前庭部前壁に中央に陥凹を有する平滑で柔らかい印象の隆起を認め,大部分は正常粘膜にて被覆されていた(Fig.2a).中心陥凹は多発する不整形な潰瘍を有するものの潰瘍周辺部に明らかな上皮性病変の存在を示す局面は認められなかった(Fig.2b, c).

参考文献

1)佐々木英達,喜納勇.胃粘液癌と大腸粘液癌との比較研究.日消誌 76 : 569-667, 1988
2)藪崎裕,畠山勝義,鈴木力,他.粘膜下腫瘍の形態を示した早期胃膠様腺癌の1例.胃と腸 30 : 814-818, 1995
3)紀藤毅,山田栄吉,宮石成一,他.進行胃癌における組織型からみた手術成績.外科 43 : 1041-1046, 1981
4)中村恭一,喜納勇.消化管の病理と生検組織診断.医学書院,1980

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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