文献詳細
今月の主題 粘膜下腫瘍様の形態を示した消化管癌
序説
文献概要
筆者はこれまで消化管癌の画像診断に長い間,従事してきた.その過程で感じてきたことは,“それこそ癌はいろいろな形態・形状を示す”という,いわば驚きの気持が入った実感である.すなわち,胃の術前カンファレンスでは,形態診断上,どのように見ても悪性リンパ腫としか診断できない症例が,画像との比較検討を行う術後カンファレンスやミクロデモで,実際は胃癌だった例を多く経験した.また,bridging foldを伴い,隆起性病変の表面が平滑で辺縁も整であり,平滑筋肉腫と診断した例が,ふたを開ければ癌であったこともあった.
これらの経験から,癌という病変はあらゆる形質を発現する可能性をもっており,どのような形態をもとりうることを,いやと言うほど教わった.
これらの経験から,癌という病変はあらゆる形質を発現する可能性をもっており,どのような形態をもとりうることを,いやと言うほど教わった.
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