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文献詳細

雑誌文献

胃と腸38巻11号

2003年10月発行

文献概要

今月の主題 粘膜下腫瘍様の形態を示した消化管癌 主題

粘膜下腫瘍様の形態を示す胃癌―病理学的検討

著者: 石黒信吾1 塚本吉胤1 春日井務1 安原裕美子1 辻直子1 藤井恭子1 西澤恭子1 山登直美1

所属機関: 1大阪府立成人病センター病理・細胞診断科

ページ範囲:P.1519 - P.1526

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要旨 粘膜下腫瘍様の形態を示す胃癌(SMT様癌)の特徴を知るために,22例のSMT様癌,5例のcarcinoid tumor,10例の粘膜下腫瘍(SMT)を検討した.SMT様腫瘍の組織型は,リンパ球浸潤癌9例,充実性に増殖する癌が4例,限局線維化を伴う癌が6例,粘液癌が1例,内分泌癌が1例,分化型癌が1例であった.SMT様癌は,従来報告が多い組織型に加えて,線維化の強い限局したscirrhous carcinomaの症例が相当数含まれていた.また,SMT様癌は,進行しても,腫瘍の立ち上がりの角度は減少するが,その他の形態の比は保たれていた.SMT様癌は,carcinoidとの比較で,大きさに比べて陥凹の面積が大きく,深く,逆に,高さおよび腫瘍の立ち上がりの角度は小さいという結果であった.SMT様癌は,SMTとの比較では,腫瘍の大きさに比較して,陥凹面が広く,陥凹周辺にIIcあるいはIIc様の変化を見出すことが重要であった.

参考文献

1)河田佳代子,石黒信吾,辻直子,他.粘膜下腫瘍様形態を示す胃癌の臨床病理学的特徴.胃と腸 30 : 739-746, 1995
2)福山孝之,平岡哲郎,蜂谷勉,他.粘膜下腫瘍様形態を呈した胃癌─内視鏡的検討を中心に.消化器科 8 : 158-170, 1988
3)北川隆,岡野重幸,相馬光宏,他.粘膜下腫瘍様所見を呈した胃癌の5例. Gastroenterol Endosc 30 : 3311, 1988

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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