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文献詳細

雑誌文献

胃と腸38巻12号

2003年11月発行

文献概要

今月の主題 上部消化管拡大観察の意義 主題

食道粘膜の拡大観察―逆流性食道炎のstage診断

著者: 星原芳雄1 山本敬1 橋本光代1 山本信彦1 田中達朗1 志田勝義1 布袋屋修1 飯塚敏郎1

所属機関: 1虎の門病院消化器科

ページ範囲:P.1641 - P.1646

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要旨 食道粘膜では粘膜固有層が突起状に粘膜層内に食い込んでおり,この内に乳頭血管が這い上がり,捻れるように下降してくる.拡大電子スコープではH1 stageおよびH2 stageの初期には再生粘膜に大きい点状,桿状ないし斑状の乳頭血管が認められるが,H2 stageの後期およびS1 stageの初期には乳頭血管像はより小さくなり,辺縁では縦列するように配列することが多い.S2 stageでは乳頭血管は更に小さくなり,辺縁では柵状に配列する傾向が強い.食道癌などの食道疾患と同様に逆流性食道炎でも乳頭血管を観察することが大切である.現在このような微細構造は通常の電子スコープにても十分観察可能である.

参考文献

1)星原芳雄,橋本光代,福地創太郎,他.拡大電子スコープによる食道病変の観察.第42回日本消化器内視鏡学会総会講演予報集: 262, 1991
2)Inoue H, Honda T, Yoshida T, et al. Ultra-high magnification endoscopy of the normal esophageal mucosa. Dig Endosc 8 : 134-138, 1996
3)井上晴洋,熊谷洋一,吉田達也,他.食道疾患の拡大内視鏡診断.消化器内視鏡 13 : 301-308, 2001
4)星原芳雄.第三部食道,第V章.食道炎の診断.丹羽寛文,井田和徳(編).色素・拡大内視鏡の最前線.日本メディカルセンター,pp 103-108, 1998
5)Armstrong D, Bennett JR, Blum AL, et al. The endoscopic assessment of esophagitis : a progress report on observer agreement. Gastroenterology 111 : 85-92,1996
6)幕内博康.C : 内視鏡所見 2. ルゴール染色.常岡健二(監).逆流性食道炎.文光堂,pp 129-135, 1988
7)星原芳雄,山本敬,橋本光代,他.GERDの内視鏡観察の指針と展開.消化器内視鏡 12 : 1525-1530, 2000
8)星原芳雄,福地創太郎,橋本光代,他.電子スコープ(TV-Endoscope)による逆流性食道炎の表面微細紋様の観察.第37回日本消化器内視鏡学会総会口演: 1989
9)星原芳雄,橋本光代,志田勝義,他.逆流性食道炎の拡大内視鏡診断.消化器内視鏡 13 : 319-324, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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