icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸38巻12号

2003年11月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

印環細胞癌を主体とし多彩な組織像を呈した小さな大腸癌の1例

著者: 知花洋子1 金城福則1 金城渚1 又吉亮二1 与那嶺吉正1 平田哲生1 久貝雪野1 斎藤厚1 下地英明2 伊佐勉2 金城満3 川上祐子4 新垣哲4

所属機関: 1琉球大学医学部第1内科 2琉球大学医学部第1外科 3琉球大学医学部第1病理 4西武門病院

ページ範囲:P.1731 - P.1738

文献購入ページに移動
要旨 56歳,女性.スクリーニングを目的とした大腸内視鏡検査にて横行結腸に粘膜下腫瘍様の小隆起性病変を指摘された.生検組織の病理診断では印環細胞癌であった.外科的摘出標本の病理組織学的検討においては多彩な組織像を認めた.長径が1.5cmの小病変であったが印環細胞癌,粘液癌,低分化から高分化の腺癌および内分泌細胞癌類似の組織所見を混在する病変であった.組織の移行像ならびに同じ粘液形質を有することから粘膜内の低異型度分化型腺癌から種々の形態変化を来した症例と考えられた.

参考文献

1)島田悦司,裏川公章,腸粘液癌.別冊日本臨牀,領域別症候群No.6.日本臨牀社,pp 537-539, 1994
2)三枝奈芳紀,更科広実,斉藤典男,他.大腸粘液癌症例の臨床病理学的検討.日消外会誌 26 : 847-852, 1993
3)島田悦司,裏川公章,植松清,他.大腸粘液癌症例の臨床病理学的検討.日本大腸肛門病会誌 46 : 761-767, 1993
4)河崎千尋,細川洋平,服部隆則,他.粘液産生を示す大腸癌の生物学的特徴の検討.日消誌 91 : 976-987, 1994
5)大塚正彦,加藤洋.大腸低・未分化癌の臨床病理学的検討─分類および内分泌細胞癌との関連について.日消外会誌 25 : 1248-1256, 1992
6)有本裕一,水上健治,山田忍,他.直腸原発内分泌細胞癌の2例.日臨外会誌 59 : 2109-2114, 1998
7)山下健太郎,有村佳昭,遠藤高夫,他.直腸内分泌細胞癌の1例,胃と腸 34 : 1464-1466, 1999
8)岩淵三哉.消化管内分泌腫瘍.病理と臨床 15(臨時増刊号): 269, 1997
9)岩淵三哉,渡辺英伸,石原法子,他.消化管のカルチノイドと内分泌細胞癌の病理─その特徴と組織学発生.臨牀消化器内科 5 : 1669-1681, 1990
10)岩淵三哉,渡辺英伸,野田裕,他.腸カルチノイドの病理.胃と腸 24 : 869-882, 1989
11)鈴木力,畠山勝義,武藤輝一.腸内分泌細胞癌.別冊日本臨牀 領域別症候群No.6.日本臨牀社,pp 533-536, 1994
12)宮崎逸夫,八木雅夫.腸印環細胞癌.別冊日本臨牀,領域別症候群No.6.日本臨牀社,pp 379-381, 1994
13)山下拓,鳴海裕優之,鈴木孝良,他.大腸早期印環細胞癌を含む同時多発癌の1例.Gastroenterol Endosc 37 : 1028-1033, 1995
14)ト部利真,黒田義則,漆原貴,他.リンパ節転移を認めた径2mmの直腸印環細胞癌の1例.胃と腸 33 : 1179-1183, 1998
15)増渕成彦,小西文雄.異所性多発癌として発見された大腸早期印環細胞癌の1例─遺伝子学的検索を中心に.日本大腸肛門病会誌 52 : 128-132, 1999
16)Tung S, Wu C, Chen P. Primary signetring cell carcinoma of colorectum─an age and sex-matched controlled study. Am J Gastroenterol 10 : 2195-2199, 1996
17)泉信一,斉藤裕輔,渡二郎,他.印環細胞癌が主体であった表面型早期大腸癌の1例.胃と腸 30 : 1195-1200, 1995
18)Saito A, Shimoda T, Nakanishi Y, et al. Histologic heterogeneity and mucin phenotypic expression in early gastric cancer. Pathol Int 51 : 165-171, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?