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文献詳細

雑誌文献

胃と腸38巻2号

2003年02月発行

文献概要

今月の主題 腸型Behçet病と単純性潰瘍の長期経過 主題

長期観察例からみた腸型Behçet病と単純性潰瘍の治療

著者: 星野惠津夫1 帯刀誠1 大林隆晴1 大瀬亨1

所属機関: 1帝京大学医学部内科

ページ範囲:P.183 - P.191

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 10年以上にわたり経過観察しえた腸管Behçet病(EB)の5症例を提示し,その臨床経過,特に病像と治療法の変化,さらに予後について解説した.EBの治療はsteroid薬が主体であり,急性期には通常prednisolone30~60mg/日で開始し,症状・臨床検査値・画像所見などに基づき,数か月かけて徐々に減量し,5~15mg/日で長期間維持療法を続ける.必要に応じて、5-ASA製剤,colchicine,漢方薬(葛根黄連黄芩湯など)を併用する.免疫抑制薬は腸病変を悪化させうるため慎重に用いる必要があるが,azathioprineの有用性を主張する論文もある.EBでは診断後10~20年で沈静化してくる症例が多く,十分な管理により重大な合併症を未然に防ぐことが重要である.

参考文献

1)星野惠津夫,徳富研二,茂木秀人,他.Behçet病の消化管病変.臨牀消化器内科 14 : 1769-1775, 1999
2)Choi IJ, Kim JS, Cha SD, et al. Long-term clinical course and prognostic factors in intestinal Behçet's disease. Dis Colon Rectum 43 : 692-700, 2000
3)Fujikawa S, Suemitsu T. Behçet disease in children : a nationwide retrospective survey in Japan. Acta Paediatr Jap 39 : 285-289, 1997
4)渡辺勇,桑原紀之,福田芳郎.腸管型Behçet病の病理組織学的研究.胃と腸 14 : 903-913, 1979
5)松田隆秀,水島裕.Behçet病15年間のあゆみ,病因・病態・治療.最新医学 43 : 249-257, 1988
6)亀田秀人,竹内勤.膠原病治療における免疫抑制薬の現状と展望.医学のあゆみ.199 : 331-335, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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