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文献詳細

雑誌文献

胃と腸38巻3号

2003年03月発行

今月の主題 食道癌と他臓器重複癌―EMR時代を迎えて

主題

頭頸部癌に重複した食道表在癌の臨床像とその病理像―食道色素研究会アンケート調査の報告

著者: 佐藤滋1 高木融1 逢坂由昭1 星野澄人1 篠原玄夫1 尾形高士1 立花慎吾1 青木達哉1 小柳泰久1

所属機関: 1東京医科大学外科学第3講座

ページ範囲:P.291 - P.298

文献概要

 頭頸部癌患者3,000人に色素内視鏡を行い8.7%に食道癌が発見された.重複癌317例で同時性60.9%,異時性頭頸部癌先行28.1%,異時性食道癌先行10.1%であった.頭頸部癌の占居部位は下咽頭41.9%と最も多かった.喫煙率は77.6%,Brinkmann index1053.0,飲酒率は83.0%,Sake index104.1であった.肉眼型では0-IIc47.3%,0-IIb20.5%,長径では11~20mmが30.7%と最も多く,深達度ではm1,m2が49.1%を占めた.食道不染帯の数はまだら食道が29.3%と最も多く,食道多発癌は32.8%に認めた.治療方法ではm1,m2の58.7%にEMRが施行され,m3,sm1の54.8%,sm2,sm3の76.6%に手術が施行された.また全体の12.0%に放射線・化学療法が施行されていた.

参考文献

1)頭頸部癌取扱い規約,3版.金原出版,pp 84-92, 2001
2)第49回食道疾患研究会アンケート調査.食道表在癌集計報告.1995
3)食道疾患研究会(編).食道癌全国登録集計報告書.1997
4)阿保七三郎,三浦秀男,工藤保,他.日本における食道と多臓器の重複癌について.日消外会誌 13 : 377-381, 1980
5)井出博子,江口礼紀,中村務,他.多重癌の基礎と臨床.外科 60 : 266-272, 1998
6)宗圭男,佐藤博信,村山公,他.食道重複癌96例の臨床的検討.日外科系連会誌 23 : 910-913, 1998
7)幕内博康,田仲曜,島田英雄,他.食道癌と重複癌.癌と化学療法 24 : 1-7, 1997
8)渡辺寛.食道癌と頭頸部癌.外科 57 : 1261-1264, 1995
9)奥村隆司,服部賢二,久保武,他.頭頸部癌患者における上部消化管スクリーニングの重要性について.頭頸部腫瘍 20 : 84-88, 1994
10)中西幸浩,落合淳志,下田忠和,他.多重がんを含む食道扁平上皮がんとルゴール小不染帯との関連の臨床病理学的検討.第51回日本食道疾患研究会抄録.p77, 1997
11)河田了,中井茂,福島龍之,他.下咽頭癌と食道癌の重複癌頻度と術式の検討.耳鼻臨床 92 : 521-525, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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