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文献詳細

雑誌文献

胃と腸38巻3号

2003年03月発行

今月の主題 食道癌と他臓器重複癌―EMR時代を迎えて

主題症例

食道・胃重複癌術後,異時性頬部・遺残食道癌治療の1例

著者: 青木泰斗1 上里昌也1 宮崎信一1 中島光一1 赤井崇1 平山信男1 軽部友明1 石川千佳1 中嶌和恵1 松原久裕1 落合武徳1 神津照雄2

所属機関: 1千葉大学医学部先端応用外科 2千葉大学光学医療診療部

ページ範囲:P.369 - P.373

文献概要

 患者は66歳,男性.進行食道癌と早期胃癌の診断で,1993年6月左開胸開腹下部食道胃全摘術施行した.経過観察中,早期頬粘膜癌が発生し,1995年3月他院口腔外科にて腫瘍切除術施行された.1995年6月より,遺残食道に粘膜内癌が異時性に多発し,計4回5病変に対し内視鏡的粘膜切除術(EMR)施行し治療しえた.頭頸部癌と食道癌の同時性・異時性重複癌の発生頻度は高いとされており,頭頸部および食道の定期的な検査は必須と言える.そのことが早期の癌の発見につながり,低侵襲な治療が可能となる.

参考文献

1)日本食道疾患研究会(編).食道全国登録集計報告書,2002
2)丁 剛,四ノ宮隆,島田剛敏,他.頭頸部癌患者に対するスクリーニング的食道・胃内視鏡検査(EGF)について.日耳鼻 103 : 754-760, 2000
3)糸数哲郎,古謝静男,真栄城徳秀,他.初診時頭頸部,上部消化管重複癌症例の検討.耳喉頭頸 68 : 710-712, 1996
4)辻直子,石黒信吾,真能正幸,他.まだら食道の病理.胃と腸 36 : 1049-1056, 2001
5)幕内博康,島田英雄,千野修,他.食道癌の初期病巣と発育進展.胃と腸 35 : 527-539, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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