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文献詳細

雑誌文献

胃と腸38巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 全身性疾患と消化管病変 各論 3.膠原病,免疫・アレルギー性疾患

5)皮膚筋炎

著者: 浜田勉1 板垣雪絵1

所属機関: 1社会保険中央総合病院消化器科

ページ範囲:P.543 - P.546

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 皮膚筋炎と悪性腫瘍の合併率は30~40%である.皮膚筋炎症状と悪性腫瘍発現の時間的関係については60~80%の例で皮膚筋炎が先行するとされているがほぼ半年以内に両方とも発現している例が多い.悪性腫瘍のうち,胃癌との合併は本邦では高く,約40%を占める.しかし,胃癌の進行度は発見時既にStage III~IVの進行癌がほとんどで,早期癌での発見は少ない.占居部位は胃上部に多く,組織型の関係は認められなかった.悪性腫瘍の治療によりしばしば皮膚筋炎の症状が軽快するとの報告がみられ,皮膚筋炎の発症に悪性腫瘍が深く関与することを示唆している.臨床で皮膚筋炎を認めた場合,内臓悪性腫瘍,特に消化管癌の検索は極めて重要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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