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文献詳細

雑誌文献

胃と腸38巻4号

2003年04月発行

文献概要

特集 全身性疾患と消化管病変 各論 3.膠原病,免疫・アレルギー性疾患

8)Schönlein-Henoch紫斑病

著者: 大川清孝1 青松和揆1 大平美月1 山崎智朗1 追矢秀人1 中井隆志1 川崎靖子1 青木哲哉1 加島和俊1 倉井修1 木岡清英1 根引浩子1 岡博子1 吉岡克宣2 井上健3

所属機関: 1大阪市立総合医療センター消化器内科 2大阪市立総合医療センター内科 3大阪市立総合医療センター病理部

ページ範囲:P.559 - P.565

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 Schönlein-Henoch紫斑病は毛細血管~細動脈の血管炎に起因し,皮膚症状,腹部症状,関節症状,腎障害を主な兆候とする疾患である.腹部症状の頻度は高く,特に腹痛が多い.本症の内視鏡所見は多彩であり,発赤,紫斑様病変,浮腫,びらん,潰瘍などがみられる.この機序は血管炎により,血管透過性の亢進による滲出・出血が起こり,発赤や紫斑様病変が生じ,さらに血管の障害が高度になると血栓が生じ虚血性変化が起こり,浮腫,びらん,潰瘍が生じると考えられる.十二指腸病変は第2部~第4部に好発し,多発する潰瘍性病変を来すことが多い.胃や大腸では紫斑様の発赤斑が多くみられる.

参考文献

1)阪上学,野田八嗣,越野慶隆,他.下血をみたSchönlein-Henoch紫斑病の1例における消化管粘膜病変の内視鏡的検討─本邦報告例32例の集計を含む.Gastroenterol Endosc 30 : 1250-1254, 1988
2)杉本千賀子,足立ヒトミ,細身麻子,他.広範な消化管粘膜病変を合併したSchönlein-Henoch紫斑病の1例.Progress of Digestive Endoscopy 40 : 384-387, 1992
3)数森秀章,大西康則,宮崎忠顕,他:特異な消化管病変を呈したHenoch-Schönlein Purpuraの1例.島根醫學 17 : 71-81, 1997
4)江崎幹宏,松本主之,中村昌太郎,他.Schönlein-Henoch紫斑病における十二指腸病変の特徴.胃と腸 37 : 791-800, 2002
5)島本史夫,正宗研,岩越一彦,他.特異な大腸病変を合併したSchönlein-Henoch紫斑病の1症例.Gastroenterol Endosc 25 : 592-601, 1983
6)山田至人,大井田正人,小泉和三郎,他.胃病変を主とした再燃性Schönlein-Henoch Purpura の1例.Gastroenterol Endosc 30 : 2633-2641, 1988
7)榎本博幸,佐々木亮,打越康郎,他.第13因子活性の低下を伴ったSchönlein-Henoch Purpuraの1例.Gastroenterol Endosc 37 : 324-327, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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