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今月の症例
画像所見と切除標本・組織所見を対比した表層拡大型早期胃癌の1例
著者: 中原慶太14 立石秀夫14 鶴田修14 豊永純14 佐田通夫14 武田仁良24 有馬信之3
所属機関: 1久留米大学医学部第2内科 2久留米大学医学部外科 3久留米大学医学部病理 4久留米大学消化器病センター
ページ範囲:P.664 - P.667
文献購入ページに移動〔切除標本肉眼所見〕 胃全摘された半固定標本(拡大)と肉眼所見のシェーマを示す(Fig.1a).噴門部小彎にI型隆起が認められ,その周囲には軽微な凹凸変化を示す粗ぞう粘膜が広範に拡がっている(隆起主体の領域).しかし,病変境界は全体的に不明瞭で,肛門側は浅い陥凹境界と思われる線状の溝がわずかに認識される程度であり,特に小彎側ほど平滑でIIb様を呈している(陥凹主体の領域).
〔病理組織再構築図〕 Fig.1bに示すように多彩な組織像を呈する浸潤領域UMEの表層拡大型早期胃癌である.隆起主体の領域にほぼ一致してtub-por(青線),陥凹主体の領域にpor-sig(水色線)が認められ,これらの間にはなだらかな組織型の移行(連続性)があり総合的に胃型の癌が推定される.
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