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文献詳細

雑誌文献

胃と腸38巻5号

2003年04月発行

文献概要

今月の症例

画像所見と切除標本・組織所見を対比した表層拡大型早期胃癌の1例

著者: 中原慶太14 立石秀夫14 鶴田修14 豊永純14 佐田通夫14 武田仁良24 有馬信之3

所属機関: 1久留米大学医学部第2内科 2久留米大学医学部外科 3久留米大学医学部病理 4久留米大学消化器病センター

ページ範囲:P.664 - P.667

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 〔患者〕 57歳,女性.2000年の胃集団検診にて異常を指摘され近医受診.上部消化管内視鏡検査にて病変が認められたため,精査目的に当科紹介となる.

 〔切除標本肉眼所見〕 胃全摘された半固定標本(拡大)と肉眼所見のシェーマを示す(Fig.1a).噴門部小彎にI型隆起が認められ,その周囲には軽微な凹凸変化を示す粗ぞう粘膜が広範に拡がっている(隆起主体の領域).しかし,病変境界は全体的に不明瞭で,肛門側は浅い陥凹境界と思われる線状の溝がわずかに認識される程度であり,特に小彎側ほど平滑でIIb様を呈している(陥凹主体の領域).

 〔病理組織再構築図〕 Fig.1bに示すように多彩な組織像を呈する浸潤領域UMEの表層拡大型早期胃癌である.隆起主体の領域にほぼ一致してtub-por(青線),陥凹主体の領域にpor-sig(水色線)が認められ,これらの間にはなだらかな組織型の移行(連続性)があり総合的に胃型の癌が推定される.

参考文献

1)馬場保昌.馬場塾の最新胃X線検査法.医学書院,2001
2)八尾恒良.早期胃癌診断の基本所見とピットフォール.胃と腸 35 : 11-12, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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