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文献詳細

雑誌文献

胃と腸38巻6号

2003年05月発行

文献概要

今月の主題 消化管腫瘍診断におけるX線検査の有用性 主題

大腸腫瘍診断におけるX線検査の有用性―治療の立場から

著者: 松田圭二1 小平進1 安達実樹1 白京訓1 野澤慶次郎1 味村俊樹1 冲永功太1

所属機関: 1帝京大学医学部外科

ページ範囲:P.899 - P.906

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要旨 最近,大腸内視鏡の進歩と反比例するように,注腸X線検査の価値が軽んじられるようになってきた.本稿では,注腸X線検査が内視鏡検査より優れている実例を挙げながら,注腸X線検査の有用性について述べた.特に注腸X線検査が重要になる場合は,(1)直腸における存在部位診断(Rb,Ra,Rs),(2)多発癌,(3)吻合予定腸管における憩室の有無,(4)壁変形の著しい癌,(5)閉塞性大腸炎を併発している癌,(6)横行結腸における存在部位診断,である.注腸X線検査は,病変部の客観的部位同定と狭窄部の口側情報の獲得に欠かせない検査であり,現場で治療を行っているわれわれ外科医にとっては,必要不可欠なものである.

参考文献

1)多田正大.やさしい注腸X線検査.日本メディカルセンター,pp 9-24, 2002
2)牛尾恭輔,石川勉,宮川国久,他.大腸癌の診断に注腸X線検査は必要か─原則必要とする立場から:大腸の上皮性腫瘍における注腸X線検査の有用性.胃と腸 33 : 713-720, 1998
3)工藤進英,今井靖,山野泰穂,他.大腸癌の診断に注腸X線検査は必要か─原則不要とする立場から:ズーム式拡大内視鏡の有用性.胃と腸 33 : 721-727, 1998
4)河南智晴,柏木亮一,坂根芳夫,他.大腸癌の診断に注腸X線検査は必要か─原則不要とする立場から:大腸癌の拾い上げ診断における注腸X線検査の診断能の検討.胃と腸 33 : 729-735, 1998
5)松永厚生,藤田直孝,野村美樹子,他.大腸癌の診断に注腸X線検査は必要か─原則不要とする立場から:注腸X線検査の早期大腸癌に対する存在診断能と深達度診断能.胃と腸 33 : 737-744, 1998
6)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,6版.金原出版,p 4, 1998
7)横山善文.大腸疾患の診断に注腸X線検査は必要か─私はこう考える.胃と腸 33 : 782, 1998
8)冲永功太,安達実樹,福島亮治.消化管の憩室.消化器の臨床 4 : 297-306, 2001
9)磯本浩晴,荒木靖三.閉塞性大腸炎.安富正幸,武藤徹一郎,馬場正三(編).大腸外科.医学書院,pp 241-245, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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