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文献詳細

雑誌文献

胃と腸38巻7号

2003年06月発行

今月の主題 消化管の炎症性疾患診断におけるX線検査の有用性

主題

上部消化管の炎症性疾患におけるX線検査の有用性―内視鏡像との比較および鑑別診断の立場から:食道疾患を中心として

著者: 加藤久人1

所属機関: 1都立駒込病院内科

ページ範囲:P.961 - P.971

文献概要

要旨 胃食道接合部にみられる非腫瘍性病変に対するX線造影検査の診断能を検討することを目的として,8症例について精密X線検査を行った.結果,逆流性食道炎のびらん性変化(粘膜障害)は粘膜ひだの肥厚を伴う陥凹として描出された.色調変化型食道炎(LA分類 grade M)では不鮮明な粘膜模様がみられた.SCJ(squamo-columnar junction)は特徴のない扁平上皮粘膜と微細顆粒状の円柱上皮粘膜との境界線として描出された.SCJの描出には粘液除去と十分な壁伸展が不可欠であった.Barrett上皮はSCJの遠位側にみられる微細な砂を敷き詰めたような模様を呈する食道粘膜として描出された.食道噴門腺のX線診断は困難であるが,上皮下に小腫瘤を形成する場合は描出可能であった.

参考文献

1)星原芳雄.GERDの診断. 臨牀消化器内科11 : 1563-1568, 1996
2)加澤玉恵,門馬久美子,吉田操,他.Barrett食道に発生した高分化型食道腺癌の1例.消化器内視鏡 14 : 1167-1172, 2002
3)Kressel HY, Glick SN, Laufer I, et al. Radiological features of esophagitis. Gastrointest Radiol 6 : 103-108, 1981
4)Ekberg O. Normal anatomy and techniques of examination of the esophagus : fluoroscopy, CT MRI, and scintigraphy. In Freeny PC, Stevenson GW (eds). Alimentary Tract Radiology, 5th ed, vol. 1, Mosby, St. Louis, pp168-185, 1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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