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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻1号

2004年01月発行

文献概要

今月の症例

病変の拡がり診断にX線が有用であったtypical linitis plasticaの1例

著者: 政幸一郎1 西俣寛人1 西俣嘉人1 大井秀久1 新原亨1 仁王辰幸1 松田彰郎1 島岡俊治1 田代光太郎1 鳥丸博光1 末永豊邦2 大倉康男3 下鑪研悟4

所属機関: 1南風病院消化器科 2南風病院外科 3独協医科大学病理学部 4しもたたら内科消化器科

ページ範囲:P.6 - P.9

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 〔患 者〕 47歳,女性.自覚症状,特になし.2002年6月4日検診で異常を指摘され,2002年6月29日しもたたら内科消化器科を受診.同日の上部消化管内視鏡検査で異常所見を認めたため,2002年7月22日当院を紹介され,同日入院となった.

 〔胃内視鏡所見〕 通常観察では,胃体上部大彎から後壁にかけて褪色調の境界明瞭な陥凹病変を認める(Fig.1).陥凹内は粗で小結節がみられる.陥凹周囲はひだ集中がみられ陥凹の周囲で中断がみられる.その病変の肛門側は明らかな伸展不良はみられず,ひだの腫大もはっきりしない(Fig.2,3).しかし,ひだの走行はスムースさを失い,ひだの表面は微細顆粒状のパターンを示している.また,長軸方向のひだとひだを橋渡しするような直交するひだがみられる.色素内視鏡では陥凹内の小結節がはっきりし,また,陥凹の周囲の粘膜の微細顆粒状のパターンが明瞭となった(Fig.4,5).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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