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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻1号

2004年01月発行

文献概要

今月の主題 最新の早期胃癌EMR―切開・剥離法 主題

早期胃癌に対する切開・剥離術の治療成績と問題点―フックナイフ

著者: 小山恒男1 平澤大1 菊池勇一2 宮田佳典1 堀田欣一1 森田周子1 桜井直1 米湊健1 友利彰寿1

所属機関: 1佐久総合病院胃腸科 2佐久総合病院内視鏡室

ページ範囲:P.35 - P.38

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要旨 2000年1月から2003年8月までに切開・剥離術を試行した胃上皮性腫瘍312例を対象とした.一括切除率は腫瘍長径20mm以下群で98%(202/207),21mm以上群で95%(103/109),全体で97%(301/312)であった.切除断端陽性は11例で,いずれも術前診断の誤りが原因であり一括完全切除率は93%(290/312)であった.穿孔を0.96%(3/312)に認めたがいずれもpin holeでありclip 1個で閉鎖しえた.輸血を要した症例は高度の肝硬変1例(0.3%)のみであった.手技が安定した2001年以降は大部分の症例をトレーニング中の術者が施行してきたが,上述のような成績を得た.したがって基本を守ればフックナイフを用いた切開・剥離術は安全な手技と思われた.

参考文献

1)小山恒男.食道癌に対するEMRの選択法.消化器内視鏡 12 : 718-719, 2000
2)小山恒男.Endoscopic Surgery切開・剝離EMR─Hookナイフを中心に.日本メディカルセンター, 2003
3)小野裕之,後藤田卓志,近藤仁,他.ITナイフを用いたEMR─適応拡大の工夫,消化器内視鏡 11 : 675-681, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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