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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻1号

2004年01月発行

文献概要

今月の主題 最新の早期胃癌EMR―切開・剥離法 主題

早期胃癌に対する切開・剥離法の治療成績と問題点―細径スネア・フレックスナイフ

著者: 矢作直久1 藤城光弘1 角嶋直美1 今川敦1 井口幹崇1 大川昭光1 小林克也1 橋本拓平1 岡政志1 小俣政男1

所属機関: 1東京大学医学部消化器内科

ページ範囲:P.39 - P.43

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要旨 細径スネアを改良したフレックスナイフは,柔軟で操作性が良く,直視下で縦・横・斜めあらゆる方向に切開を進めることが可能であり,切開・剥離法を初めて行う者でも比較的扱いやすい処置具と考えられる.しかも先端がループ状になっており,長さも調整可能であるため穿孔のリスクも比較的少ないものと思われる.細径スネアやフレックスナイフを用いた切開・剥離法にて198病変の治療を行い,一括切除率は92%であった.一方,穿孔が8例(4%),後出血が3例(1.5%)認められたが,すべて保存的に治療可能であった.切開・剥離法は,技術的難易度が高く,治療時間も長くかかるが,確実な一括切除が可能であり,根治性の評価と遺残再発の防止の点からメリットの多い治療法と考えられる.

参考文献

1)Gotoda T, Yanagihara A, Sasako M, et al. Incidence of lymph node metastasis from early gastric cancer : Estimation with a large number of cases at two large centers. Gastric Cancer 3 : 219-225, 2000
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3)Yahagi N, Fujishiro M, Iguchi M, et al. Theoretical and technical requirements to expand EMR indications. Dig Endosc 15 : S18-S20, 2003
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8)矢作直久,藤城光弘,小俣政男.フレックスナイフ.消化管内視鏡治療のコツとポイント.日本メディカルセンター,pp 106-109, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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