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文献詳細

雑誌文献

胃と腸39巻1号

2004年01月発行

文献概要

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編集後記 フリーアクセス

著者: 大谷吉秀

所属機関:

ページ範囲:P.122 - P.122

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 EMRは常に進化する,そんな期待を実感していただける特集をお届けします.“原発巣の完全切除”“切除標本の確実な組織診断”という命題は,EMRに課せられた最重要課題ですが,今回の主題“切開・剝離法"の登場で,一括切除かそれとも分割切除で十分か,という2,3年前まで熱く議論されたテーマはどこかに吹き飛んでしまった印象を受けます.今回の特集では,まず“切開・剝離法”をリードされている先生方にその手技を中心に解説していただきました.もう1つの命題“リンパ節転移がない”もEMRの大切な条件ですが,主題研究では,微小転移やセンチネルリンパ節について最新情報を解説していただきました(夏越,北川論文).また,手術例の検討から高齢者の早期胃癌では症例によりEMRの適応拡大が容認できる可能性が述べられています(片井論文).後半の座談会では“切開・剝離法”のコツが熱く語られており,本法が抱えるいくつかの問題点も浮き彫りにされています.

 本当に良いものは皆に愛され後世に伝承されるという歴史的法則を考えると,“切開・剝離法”が名人芸でとどまっていては,時の話題提供で終わる可能性があります.これを世の中にどのように普及し人々の福祉に貢献するか,さらなる進化を期待したいと思います.EMR に興味を持たれている方々や,これから“切開・剝離法”を始めてみようという読者の皆様に本特集がお役に立てれば幸いです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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